iPhone を使っていれば、誰でも無料で iCloud を使えます。お金を払って iCloud+ にすると、容量が増えるだけでなく、使える機能も増えます。無料のままで何ができて、iCloud+ にすると何が増えるのか。違いを紹介します。

結論:バックアップが入りきらない人と、メールアドレスを守りたい人は iCloud+

機能 無料 iCloud+
容量 5GB 50GB〜12TB
バックアップ ○ ○
写真・書類の同期 ○ ○
探す ○ ○
iCloud メール ○ ○
Apple でサインイン ○ ○
エイリアス ○ ○
メールを非公開 ✕ ○
ファミリー共有 ✕ ○
プライベートリレー ✕ ○
インビテーション ✕ ○
セキュアビデオ ✕ ○
独自ドメイン ✕ ○

無料の iCloud でできることは、iCloud+ でもすべてできます。バックアップと写真などの同期は、無料では 5GB までですが、iCloud+ なら選んだプランの容量まで使えます。色を付けた6つが、iCloud+ でしかできないことです。

iPhone のバックアップが 5GB に入りきらない人は、iCloud+ にしましょう。バックアップは、iPhone をなくしたり壊したりしたときの命綱です。いちばん小さい 50GB なら月180円です。お金を払うなら、容量のほかに増える機能も使わないともったいない。なかでもおすすめは「メールを非公開」です。

無料の iCloud でできること

Apple Account を作れば、iCloud は無料で使えます。容量は 5GB です。

  • バックアップと同期:iPhone のバックアップや、写真・連絡先・カレンダーなどを、iPad や Mac と同じ内容にそろえる
  • 探す:なくした iPhone の場所を確かめる。iPhone が手元にないときは、パソコンなどから iCloud.com で探せる
  • iCloud メール:@icloud.com のメールアドレス
  • エイリアス:@icloud.com のアドレスを、主のアドレスのほかに9つまで作れる

ただし、iPhone を落とした出先では、「探す」を使えないことがあります。盲点と備えは、こちらの記事で紹介しています。

落とした出先ではiPhoneを探せないこともある

エイリアスは、無料のままでメールアドレスを使い分けたい人に便利です。作り方はこちらの記事で紹介しています。

iCloudメールのエイリアスを作成する

また、アプリやサイトの「Apple でサインイン」を使うと、iCloud+ に入っていなくても、そのアプリ専用のランダムなアドレスで登録できます。

5GB で、iPhone のバックアップは足りている?

iPhone をなくしたり、壊したりしても、iCloud にバックアップがあれば、新しい iPhone で元どおりにできます。設定やホーム画面の並び、メッセージ、アプリのデータが戻ってきます。

iCloudのバックアップのしくみ。容量に余裕があれば、なくしたiPhoneのバックアップから新しいiPhoneで元どおりにできる。容量がいっぱいだとバックアップが止まり、新しいiPhoneには古いデータしか戻らない

ところが、iCloud の容量がいっぱいになると、iPhone は iCloud にバックアップされなくなります。新しい写真や動画も iCloud に上がらなくなり、iCloud メールの送受信もできなくなります。

困るのは、バックアップが止まっていても、ふだんは気づきにくいことです。「iCloud ストレージがいっぱいです」という通知を放っておくと、いざ iPhone をなくしたときに、最後のバックアップが何か月も前のもの、ということになりかねません。

iPhone のバックアップに、iOS やアプリの本体は入りません(アプリは、復元のときに App Store からダウンロードし直されます)。それでも、アプリのデータやメッセージだけで、バックアップは数GBになります。私の例では、写真をバックアップに含めない使い方でも、iPhone で約5GB、iPad Pro で約4GB、iPhone 12 mini で約3GB でした。

無料の 5GB は、写真を1枚も預けなくても、iPhone 1台のバックアップでほぼいっぱいになります。写真や、家族のほかの端末のバックアップまで預けるなら、とても足りません。

「設定」→ 自分の名前 →「iCloud」で、容量の内訳と、最後にバックアップした日時を確かめておきましょう。

なお、新しい iPhone に買い替えるときだけは、容量が足りなくても、一時的に無料で iCloud にバックアップを預けられます(3週間。新しい iPhone が届くのが遅れたら延長もできます)。ただ、これは機種変更のためのしくみです。なくしたときや壊れたときに頼れるのは、ふだんのバックアップだけです。

iCloud+ でしかできないこと

5GB より大きな容量

プラン 月額(税込)
50GB 180円
200GB 540円
2TB 1,800円
6TB 5,500円
12TB 11,000円

2026年7月に約20%値上げされたあとの料金です。

メールを非公開

「メールを非公開」は、サイトやアプリに登録するときに、ランダムなメールアドレスをその場で作れる機能です。そのアドレスに届いたメールは、自分のいつもの受信箱に転送されます。アドレスはいくつも作れます。

メールを非公開のしくみ。サイトA・B・Cに、それぞれ別のランダムなアドレスを渡し、届いたメールはいつもの受信箱に転送される。サイトBから漏れたら、そのアドレスだけを止める

最近は、通販サイトなどからの情報漏洩がたびたび起きています。登録したメールアドレスが漏れると、迷惑メールや、本物そっくりの詐欺のメールが届くようになります。

サイトごとに別のアドレスを渡しておけば、漏れたときには、そのアドレスだけを無効にすれば済みます。ほかのサイトに渡したアドレスや、いつものアドレスはそのまま使い続けられます。迷惑メールが届いたアドレスを見れば、どのサイトから漏れたのか見当も付きます。

ただし、守れるのはメールアドレスだけです。名前や住所、パスワードが漏れるのは防げません。パスワードは、サイトごとに別のものにしておきましょう。

無料のエイリアスとの違いは次のとおりです。エイリアスは仕事用・趣味用などの使い分けに、メールを非公開はサイトごとの使い捨てに向いています。

エイリアス メールを非公開
アドレス 自分で決める ランダム
数 9つまで いくつも
使い方 使い分け 使い捨て

なお、「メールを非公開」には、元のアドレスが外から分かってしまう不具合があり、2026年7月に Apple が直しました。不具合を指摘した研究者は、それより前に作ったアドレスのうち、大事なサービスに使っているものは作り直すことを勧めています。

iCloud プライベートリレー

Safari でサイトを見るとき、自分の IP アドレス(ネット上の住所のようなもの)や閲覧の履歴を、サイトに知られにくくします。

Apple インビテーション

Apple の招待状アプリ「Apple インビテーション」で、誕生日会や食事会の招待状を作り、出欠を管理できます。

HomeKit セキュアビデオ

対応する見守りカメラ・防犯カメラの録画を、iCloud に保存できます。使えるカメラの台数は、50GB は1台、200GB は5台、2TB 以上は無制限です。

独自ドメインのメール

自分で持っているドメイン(例:@example.com)のメールアドレスを、iCloud メールで使えます。1つのドメインにつき10個まで作れます。

iCloud+ は家族と分け合える

家族で分け合うのは容量だけ。容量のバーを家族4人がそれぞれ使い、写真・書類・バックアップは鍵の付いたフォルダのように、それぞれ本人だけが閲覧可能

iCloud+ は、ファミリー共有で自分と最大5人の家族と分け合えます。家族も容量を使えるほか、「メールを非公開」やプライベートリレーも使えます。写真や書類は、家族それぞれのものとして別々に守られます。

家族で使うなら、どのプランがよいか。料金と選び方は、こちらの記事で紹介しています。

【2026年版】iCloud+ファミリー共有はどのプラン?値上げ後の料金と選び方

まとめ

  • 無料の iCloud でも、5GB の容量と iCloud メール、エイリアス(9つまで)が使える
  • 容量がいっぱいになると、iPhone のバックアップが止まる。なくしたときに元どおりにできるよう、容量に余裕を持たせておく
  • iCloud+ にすると、容量のほかに「メールを非公開」などの機能が増える
  • 「メールを非公開」は、サイトごとに使い捨てのアドレスを渡せる。情報漏洩が起きても、そのアドレスだけを止めればよい
  • iCloud+ は家族と分け合える