スマホケースごとスマホもカードも紛失した場合、やらなきゃいけない手続きや連絡が急に増えるのに、それを行うためのスマホが手元にない、という歯がゆい状況に陥ります。
- 交番に紛失を届けた後の警察との電話でのやりとり
- カード会社、携帯会社の連絡先を調べ紛失の手続き
- 紛失したことを知人に連絡
- LINEの移行
- 銀行振込に必要なワンタイムパスワード
家にパソコンやiPadがあったとしても、紛失翌日には仕事で出かけないといけなかったり…
ですので、予備の携帯回線とiPhoneを自宅に用意しておくことを強くオススメします。
予備のiPhone
予備iPhoneに性能は不要
予備なので性能は無視して構いません。
- 数世代前の旧機種で良い
- 中古で良い
- 容量は少なくて良い
- 動作すれば傷だらけでもいい
- とにかく安価なもので済ます
定期的にiPhoneを下取りに出して買い替える方もいらっしゃるでしょう。
買い替えの時に下取りに出さず、予備のiPhoneに使い回すことも可能ではあります。
ただ、普段バリバリ使用していたiPhoneでしょうから、予備iPhoneにするには性能的に過剰かなと思います。
もっと安い中古iPhoneで十分です。
あまりに古いと対応するiOSが古くなったりしますので、懐事情と相談して選ぶと良いでしょう。

私は以前はiPhone7(2016年発売)を予備に使っていましたが、最近iPhone12 mini(2020年発売)に変えました。
中古iPhoneの取扱店
ゲオ、イオシス、じゃんぱら、といったお店が中古iPhoneを取り扱っています。
在庫の中古iPhoneを各社の公式サイトでも販売していますので、型番や値段を調べてみましょう。
予備用途なのであまり気にすることはありませんが、傷の状態や付属品の有無なども確認することができます。
なお、通販での購入はちょっと・・という方は、公式サイトで調べてから近くの取扱店舗で実物を確認してみるのも良いでしょう。
2025年1月時点の在庫を確認すると、iPhone SE2で1万円台〜、iPhone12 miniが2万円台〜、という状況でした。
予備のiPhoneの設定
普通に0から初期設定を行います。バックアップからの復元などは不要です。
普段使いのiPhoneと同じ状態にする必要は全くなく、すっぴんに近い状態で構いません。
以下の点だけは実施しておきましょう。
- 普段使いのiPhoneと同じAppleアカウントでサインインしておく
- iCloudの設定画面で、双方のiPhoneで「探す」を有効に
- 予備iPhoneで「探す」アプリを起動し、普段使いのiPhoneを探せるか事前確認
- 普段からiCloudに連絡先、カレンダー、メモを同期しているなら、同じく同期を有効に
iCloudの設定は最新のiOSでは次の箇所から行えます。
「設定」アプリ 一番上の「Apple Account」 「iCloud」 「iCloudに保存済み」の「すべてを見る」
連絡先やカレンダー、メモといったAppleアプリに限らず、その他のアプリも普段から積極的にiCloudへ同期をするようにしましょう。
以上で予備iPhoneの準備は完了です。
あとは手間と勘案して、ご自身が利用するアプリで必要そうなものを予備iPhoneにも入れておいてもいいでしょう。
ただし、LINEや多くの銀行アプリなど、2台目のiPhoneでは使えないアプリもあるのでご注意ください。
予備の携帯電話回線
予備はpovoがベスト
各社いろんなプランがありますが、結論、auの格安プランであるpovoを予備の携帯回線として選びましょう。
povoには通話+データプランと、データ専用プランがあります。
povoでなく他社を選ぶ場合でも、データ専用のプランではなく、通話可能な音声通話プランを必ず選ぶようにしてください。
povoの特徴
- 月額基本料金が無料
- 通話+データプランを選ぶ
- 電話やSMSが利用可能
- 必要に応じてデータ通信のギガを購入する
- 「トッピング購入」と呼ばれる方式
このようなサービスですので、高額な料金を払うことなく予備の回線を持つことができます。
注意事項としては、長期間トッピング購入がない場合に解約されることがある点です。
ですので、半年に1度くらいで200〜300円のトッピングを購入するようにしましょう。
長期間購入がないとpovoからメールも来ますので忘れることはありません。
メインのスマホを紛失した時は、povoのトッピングを購入して予備iPhoneで利用します。
紛失という緊急事態ですから、1日使い放題330円、7日間1GB390円など、迷わず購入しましょう。
povoのSIMタイプについて
povoの通話+データプランのSIMは、SIMカード、eSIM、どちらも選ぶことができます。
普段使いのiPhoneの場合はeSIMをオススメしましたが、予備のiPhone用途なのでSIMカードで構いません。
iPhone SE2(2020年)以降でないとeSIMには対応していないので、古いiPhoneを予備にすることも想定し、SIMカードを選んでおけば確実でしょう。
【重要】予備の携帯番号の大事な用途
予備の電話回線は、紛失したiPhoneに電話をかけられるということ以外にも大事な用途があります。
スマホ紛失時の連絡先
予備の携帯番号は語呂を使ってでも必ず覚えるようにしましょう。
スマホ紛失時、交番に紛失届けをする際の連絡先に使えます。
また、駅や商業施設など、紛失したであろう施設のスタッフにも連絡先として伝えておくことができます。
銀行やWebサービスの予備の電話番号、SMSとして
銀行選びの際に解説しましたが、三井住友銀行や三菱UFJ銀行などSMS認証の送り先を複数登録できる銀行があります。
スマホ紛失時もSMSが受信できるよう予備の携帯番号を追加登録しておきましょう。
また、AppleアカウントやGoogleアカウントなど、皆さんがよく使用するアカウントサービスでは、アカウント保護のために携帯番号を登録し、万一の場合は電話やSMSを使って復旧や制限解除を行うことができます。
さらに、2ファクタ認証と呼ばれる追加の認証でも使用されたりします。
メインのスマホの紛失に備えて、重要なサービスには普段の番号に加えて予備の携帯番号も追加登録しておきましょう。
- 金融機関のSMS認証の送り先
- Appleアカウント、Googleアカウント等の電話番号
- その他、重要なWebサービスの電話番号
番号を一つしか登録できないサービスも多く、その場合は予備の携帯番号は追加登録できませんのでご注意ください。
有名サービスだと、LINEは追加登録ができません。
Appleアカウントに関しては
「設定」アプリ 一番上の「Apple Account」 「サインインとセキュリティ」
にメールアドレスや電話番号の設定箇所があります。
「メールと電話番号」や「2ファクタ認証」の設定箇所に予備の携帯番号が追加されれていない場合は、手動で追加しておきましょう。
基本的に予備スマホは自宅保管
予備のiPhoneが用意できたら、基本的には自宅に保管しておきます。
旅行や出張では例外的に予備スマホも持って行く
普段の外出の際に予備を持って行く必要はありません。
ただし、旅行や出張の際は予備として一緒に持って行くといざという時に役立ちます。
宿泊しているホテルに予備スマホを置いて出かければ、仮に出先でスマホを紛失した場合にも安心です。
自宅保管は充電スタンドがスッキリ
iPhoneにとってはあまり良くないことのようですが、できれば予備のiPhoneでも電源は入れておき充電しておきましょう。
そして、たまには予備iPhoneの状態を確認するようにしましょう。
ケーブルでの充電だと置き場所的にもインテリア的にも微妙ですが、例えばMagSafeに対応した中古iPhoneを用意できるのなら、写真のような充電スタンドで保管しておくことも可能です。
ベッドサイドやキャビネットの上など、スッキリと保管しておけます。


私はこの写真にあるAnker 633 Magnetic Wireless Chargerという製品を使用しています。
スタンド部分がモバイルバッテリーになっていて取り外すことができる大変便利な製品です。
台座部分はAirPodsの充電に使えます。
(参考)保管時の他の活用例
参考程度となりますが、予備用途以外での私の活用例をご紹介します。
- おでかけカウントダウンアプリ「あさとけい」
- 毎朝の自宅出発時間に対して「30分前です」「15分前です」など音でお知らせ
- 自宅のBGM用で音楽再生
- どうでもいい相手への連絡先電話番号として
- 1度しか使わないショッピングサイトや、重要でないサイトの会員登録など
なお、自宅不在時に鳴ると厄介なのでアラーム機能は使わないほうがいいです。
スマートウォッチがあると紛失時に便利
ここまでは予備のスマホと予備の携帯回線の解説でした。
予備スマホを常に携帯するわけではないので、紛失直後だと予備スマホは役に立ちません。
さっさと交番に行って紛失届けをして、さっさと家に帰るようにしましょう。
一方、Apple Watchを使っている場合は、スマホの紛失時に役に立つ場合があります。
Apple WatchにはWi-Fiモデルと携帯通信可能なセルラーモデルがありますが、Wi-Fiモデルでも十分役に立ちます。
iPhoneが手元から離れると通知
iPhoneが手元から離れるとApple Watchにブルっと通知される機能があります。
この機能は、Wi-Fiモデルでも利用可能です。
普段からApple Watchを使っている方であれば、必ずこの通知設定を有効にしておきましょう。
残念な点としては、そこそこ離れて初めて通知が来るという点です。
それでも通知が来ないよりはマシと言えます。
Apple Payのクレカや交通系IC
落としたスマホケースとは別に、財布や現金を持っていればまだなんとかなりますが、仮に持っていなければ外出先で困窮することになります。
Apple WatchのApple Payにメインのクレジットカードや交通系ICが入っていれば、かなり動きが取りやすくなります。
- コンビニで飲み物買って落ち着こう
- ドトールでコーヒー飲んで落ち着こう
- 電車に乗って家に帰ろう
- タクシーで急いで家に帰ろう
ペアリングしているiPhoneが手元にない状態でもApple Payで支払いは可能です。
普段はiPhoneのタッチ決済を使っている方でも、Apple Watchにそういったカード類を登録しておくと良いでしょう。
なお、私はiPhoneがモバイルSuicaなので、Apple WatchにはモバイルPASMOを登録しています。
ネットに繋がっていないと交通系ICにチャージはできないため、あらかじめ2,000円程度をチャージしています。
Apple Watchで探す
次の2つが条件となりますが、Apple Watchの「探す」アプリを使って紛失したiPhoneを探すことができます。
- Wi-Fiモデルでなく、セルラーモデルのApple Watchであること
- 携帯電話会社が提供する、スマートウォッチ用のオプション通信サービスを契約していること
「ついさっきまでiPhoneを持っていたのに!」という場合はApple Watchですぐに探してみましょう。
Wi-Fiモデルやオプション通信契約がない場合、Apple Watchはネットに繋がっていないので「探す」は使えません。
便利な機能ではあるのですが、Wi-Fiモデルに比べセルラーモデルは1万円以上価格が上がりますし、オプション通信サービスも月額費用がかかりますので、必ず用意すべきものではありません。
オプション通信を契約すると、ペアリングしたiPhoneが手元になくても次のようなことが可能です。
- 同じ電話番号がApple Watchでも使える
- Apple Watchだけでネットにつながる
- 探す機能が使える
- SuicaやPASMOにチャージできる
- 通信が必要なアプリが使える
携帯各社ともオプション通信を提供しています。(有料)
- ドコモ
- ワンナンバーサービス
- 月額550円
- ahamoでも利用可能
- au
- ナンバーシェアサービス
- 月額385円
- UQやpovoでは利用不可
- ソフトバンク
- Apple Watchモバイル通信サービス
- 月額385円
- Y!mobileやLINEMOでは利用不可
- 楽天モバイル
- 電話番号シェアサービス
- 月額550円
上記以外、特にMVNOと呼ばれる格安SIMを普段のiPhoneで使っている方は、オプション通信が提供されていないのでご注意ください。


以上、予備のスマホや携帯回線、あるいはApple Watchのメリットを解説してきました。
せっかく用意した予備の機材があったとしても、いざという時に使いこなせなければ意味がありません。
次が最後となりますが、予備のスマホの活用も念頭に、スマホを紛失した時の対応や行動について解説しておきたいと思います。
これまで解説してきた内容のおさらいです。

