紛失した時の行動を想定しておくことは大事で、大きく2つあります。
- どういった流れで、どういった対応を進めるか、ざっくりイメージしておく
- 対応を進める際に必要となる機器や機能は何か、その操作方法含めおおまかに理解しておく
これまで解説してきた内容を実践した場合、紛失した時の対応がどのようになるか、おさらいとして解説していきます。
紛失の対応フローと各種操作
具体的な機能や機器操作を含め解説していきます。
以下のモデルケースで考えます。
より厳しいモデルケースとするため、独身で一人暮らしをイメージしてください。
紛失のモデルケース
- ここまで解説してきた内容を実践済み
- 同行者はおらず、一人で電車に乗って外出中にスマホケースを紛失
- iPhone、クレジットカード1枚、1万円札1枚がスマホケースに入っていた
- いつどこで落としたかはっきりとは分からない
- Wi-FiモデルのApple Watchは着用しているが、それ以外の機器は手元に所持していない
- 自宅に帰れば予備のiPhoneがある
- その後、結局iPhoneは見つからなかった
1. 外出先で紛失に気づく
対応や行動
- 落とした可能性のあるお店や駅へ届いてないか確認に行く
- Apple WatchはWi-Fiモデルだったので、探す機能は使えない
役立つもの
- スマホやクレカの事前の適切な設定

あぁ、iPhone出てこなかったら買い替えかぁ、痛いなぁ…



まぁ、ちゃんと設定してたから、iPhoneの中身は安全だし、クレカも不正利用されないだろう。不幸中の幸いだな。



すぐに見つからないし、さっさと交番に行こう
2. 交番に行く
交番でのやり取りはうろ覚えです。
お巡りさんと適宜やり取りし、指示に従って下さい。
対応や行動
- 遺失物の届け出をする
- 届けが受理されたら、発行される受理番号をメモしておく
- こちらから問い合わせする際の窓口があれば電話番号を聞いておく
役立つもの
- 自宅にある予備のiPhoneの携帯電話番号



すいません、iPhone落としました。



遺失届出書を出しましょう。
落とし物の詳細、落とした携帯の電話番号、分かる範囲で紛失時刻や場所、あなたの氏名や今後の連絡先を書いてね。



記入しました。
連絡先の電話番号は自宅にある携帯なので、今夜8時以降なら受電可能です。
あと、こちらから連絡する際の窓口ってありますか?



わかりました、届けられたら警察から電話連絡がありますので。
受理番号は1234567番です。
何かの際はこちらに記載の窓口に連絡して下さい。



お手数をおかけしますが宜しくお願いします。



見つかるといいなぁ…
やれることもないし、さっさと家に帰るか
3. 自宅に向かう
対応や行動
- 疲れたのでコンビニでお茶を買う
- 電車やバス、タクシーなどで帰宅する
役立つもの
- 持っていれば現金
- 現金がなければApple WatchのApple Pay
- クレジットカード
- 一定額チャージ済みのモバイルPASMO



やばっ…
落としたスマホケースの1万円札しか現金を持ち歩いてなかったよ



疲れたからコンビニでお茶でも買おう。
Apple WatchのVISAタッチでピッ と…



さて、電車で帰るか。
Apple WatchのPASMOで改札ピッ と…
Wi-Fiモデルだから、少額でも事前にチャージしておいて助かったな
高額の支払だとタッチ決済が使えないことがあるので、手持ちの現金が十分でない場合はタクシーの利用は控えましょう。10,000円から15,000円がおよその目安のようですが断言できません。
4. 帰宅、予備のiPhoneで探す
対応や行動
- 落としたiPhoneに電話をかけてみる
- 予備のiPhoneでpovoのギガを購入する
- 「探す」アプリでアクセスする
- iPhoneの場所や電池の状況を確認
- iPhoneを紛失モードに設定し画面にメッセージを残す
役立つもの
- 予備のiPhone
- 予備の携帯電話回線(auのpovo)
- iPhoneの「探す」アプリ
- 自分の現在の連絡先(予備の携帯番号や、メアド)



やっと帰ってきたよ…
パソコンもiPadも持ってないし、予備のiPhoneがあって良かったな



さてと、まずは電話してみるかな、誰か出てくれるといいんだけど…
プルルルッ…プルルルッ…
うーん、誰も出ないか…



明日からこのiPhone使うし、povoのギガを買っておこうかな。
一旦は7日間1GB、390円のトッピングでいいや。





じゃ探すアプリを起動して、と。





あ、つながった
探すアプリでiPhoneの場所や電池残量を確認





今のありかはここか、今日は立ち寄ってない場所だな。
電池は半分以下に減っちゃってるよ。



ロック解除に10回失敗したらiPhoneが全消去される設定にしてたな。
今の時点で「このデバイスを消去」で全消去するのは、まだやめておこう。
落としたiPhoneを「紛失モード」に





何はともあれ、紛失モードにはしておこう。
紛失モードがオフになっているから、これをタップして…





紛失モードにはいろんな機能があるんだな。
Apple Payは無効になるのか。
よし、「続ける」をタップして、と。





落としたiPhoneの画面に連絡先を表示できるのか。
予備のpovoの携帯番号を記入して「次へ」をタップ、と。





落としたiPhoneの画面にメッセージも表示できるのか。
拾った人に伝言できるんだな。
捨てメアドがあったから念のためそれも書いておこう。
「次へ」をタップして、と。





これが最終画面か。
電話番号もあってるし、メッセージもこんな感じでいいかな。
ON/OFFのスイッチはそのままでいいや。
よし、いよいよ紛失モードを有効にしよう。
「有効にする」をタップ!





よし、紛失モードがオンになったな。
拾った人から連絡が来るといいな…
(参考) 落としたiPhoneの画面はこうなる


運よく交番に届けられて手元に戻ってきた場合、「探す」アプリで簡単に紛失モードを解除することができます
落とした時は何の躊躇もせず紛失モードにするようにしましょう



iPhoneの対応は一旦これでオッケー、と。
次はカード会社とかに連絡しないと。
5. カード会社などの手続きをする
対応や行動
- 落としたカードの紛失の手続きを進める
- 落としたiPhoneの携帯回線の停止手続きを進める
- ただし、すぐに携帯回線を停止するかどうかは悩みどころ
役立つもの
- 予備のiPhone
- 予備の携帯電話回線(auのpovo)
- 紛失したのがサブのカードだったこと
- 停止・再発行しても他の支払に影響がない
- 紛失したiPhoneではeSIMを使用していたこと
この記事で解説する手続きの流れはあくまでも例です。
ご自身が利用する各社のサイトを予備のiPhoneで調べ、最新の手続き方法に沿って進めるようにして下さい。



スマホケースにはOlive フレキシブルペイ1枚だけだったな。
何枚も入れてなくて良かった。



ナンバーレスだし、デビットモードで限度額0だったからいいんだけど…
一応、停止の手続きはしておこう。
カード停止しても普段の他の支払いに何の影響もないし。



「三井住友銀行 Olive 紛失」で検索っと。
銀行にWebサイトにログインして…停止の手続き完了!
ついでに再発行も手続きしておこう。



1点確認しないと分からないことがあるな…
紛失デスクに電話、っと。



Olive フレキシブルペイのカードを紛失したんですけど、一緒にスマホも紛失したので、アプリが使えず「フレキシブルペイ利用制限」というのが設定できません



…(省略)…
以上で手続きは完了です



ありがとうございました



次は携帯回線の停止か…
探すアプリでメッセージ残したし、電池もまだ残ってるしなぁ。
eSIMだからSIMカードを抜き取られる心配はないし。
回線停止すると状況確認できなくなるから手続きは少し待とう。



今日はもう寝るか
6. 交番に届けられるのを祈って待つ
対応や行動
- 「探す」アプリで定期的に状況確認
- 警察から電話が来るのを待つ
- 仕事に出かける
- 最低限必要なアプリを再インストール
役立つもの
- 予備のiPhone
- 予備の携帯電話回線(auのpovo)
- iCloudへのデータ同期



よく寝たな…
早速、探すアプリでチェック…
あ、繋がらない…電池が切れたかな?



じゃあ、携帯回線の停止をしておくか。簡単に再開もできるみたいだし。
「楽天モバイル 紛失 停止」で検索っと。
Webサイトにログインして、回線停止手続き完了!



まだ警察から電話は無いか…
そろそろ仕事に出かけないと。
見つかったら電話が来るし、この予備iPhoneも持って出かけよう。
電話来ないままだと、どこかで諦めないとなぁ…



予備のiPhoneだからアプリをほとんど入れてなかったよ。
標準アプリの写真やカレンダーは元々同期していたから、何もしないでも今まで通り使えるんだな。



あとは銀行とかLINEのアプリが必要なんだけど…
SMS認証が必要だったり、無くしたiPhoneが必要だったり…
スマホ1台縛りのアプリはやっぱり面倒だな。
また今度にしよう。さぁ、仕事行こ。
アプリの中には1台のスマホでしか動作しないようなセキュリティ制限の強いアプリがあります。
そのようなアプリだと、予備のiPhoneにアプリを移行するのが困難です。
高度な操作や設定次第では移行可能なので、機会があればブログで紹介していきたいと思います。
7. 紛失したiPhoneが戻ってくるのを諦める
対応や行動
- iPhoneを買い直す
- 携帯会社にSIMの再発行を申請する
- eSIMが安価でスピーディー
- 買い直したiPhoneを再設定する
- iCloudのバックアップがあると以前の状態に復元できる
役立つもの
- 予備のiPhone
- 予備の携帯電話回線(auのpovo)
- iCloudバックアップ
- 高速なインターネット回線
- 大量のデータ通信が可能な回線



連絡こないまま一週間か…
一旦諦めよう。見つかったらラッキー、でいいや。
予備のiPhoneは古すぎてしんどいから、iPhone買いに行こう。



よし、iPhone 買ってきたぞ。
先にSIMの再発行を手続きしておくか。eSIMだと無料再発行だし、eSIMにしておこう。再発行申請完了、っと。



家にWi-Fiは無いから、予備のiPhoneにテザリングして復旧進めるか。
うちはpovoの5Gの圏内だし速度は問題ないけど、通信のギガが足りないから1日使い放題330円のトッピングを購入しておこう。



買ってきたiPhoneの電源オン!
設定が始まった。予備のiPhoneにテザリングして…
「アプリとデータを転送」のオプション選択は「iCloudバックアップから」でOKだな。



落としたiPhoneでiCloudバックアップを取っておいて助かったよ。
落とした日の前の晩のバックアップで復元できるな。



…やっとデータ転送完了か。
あとは再発行したeSIMの開通手続きか。楽天モバイルアプリでeSIMの開通手続き完了っと。



復旧できた!残りはのんびりやればいいや。
あぁ、疲れたなぁ。まぁでも何も無いよりだいぶマシだったな。
その後
落としたiPhoneが見つかることはなかった…
おしまい
紛失時の対応まとめ
以上、紛失から復旧に至るまでのフローを解説しました。
それなりに準備をしておけば、同行者もおらず、家族の助けも得られないという相当厳しい条件であったとしても、紛失後の対応や行動を進めることができ、最終的には紛失前の日常に戻ることができます。
- 適切なカードやサービスを選んでおくこと
- 事前にセキュリティを意識しておくこと
- 普段からデータの保全を意識しておくこと
- 予備スマホや回線の事前準備という保険
最後に
「後悔」はあっても、
「不安」は無くそう、「面倒」も減らそう
スマホが戻ってこないかも…何で落としちゃったんだ…という後悔はしばらく引きずると思います。
それはしょうがないことです。
ですが、事前に適切な設定をしておくことで、スマホやクレカを落としたことで生じる不安は抑えられます。
また、特に予備のスマホを準備しておくことで、スマホを落としてもある程度の対応・行動を進めることができ、面倒も回避することができます。
解説記事の全てを実践する必要はありません。
スマホ・カードの紛失に備えるためのノウハウやTipsを網羅するため、このサイトでは過剰に解説したという側面はあります。
労力や費用を踏まえ、効果がありそうな内容をご自身の可能な範囲で積極的に取り入れていただき、いざという時に皆さんの助けとなれば幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。
ここまでの解説記事以外に、最新サービスの紹介や高度な使い方などを日々ブログで投稿していますので、今後も是非当サイトにお越しください。