スマホ・クレカを紛失した後は、4つの段階があります。
それぞれの段階において、何が大事かをまとめていきたいと思います。
スマホを落とすと、不安で押しつぶされそうになり、スマホがない不便な状況に陥ります。
そんな中で、数多くの手続きや連絡をしないといけません。
不安は無い状態にして、どっしり構えてゆったり手続きができる状態にしておきましょう。
紛失した後の4つの段階
紛失した後には4つの段階があり、図で整理すると次のようになります。

それぞれの段階で大事なことを解説していきます。
- スマホがロック解除される危険な状況への予防(スマホへの攻撃に対策)
- 自力でスマホを探す段階で有効な設定や機能
- 交番に届くのを祈っている段階でやれること
- スマホが見つからず再購入して復旧する段階で有効な設定や機能
以降、iPhoneでの説明となりますが、Androidでも同じようなことは可能ですので、参考にしてください。
スマホの危険な状況への予防
仮に悪い人に拾われてしまった場合、あるいは盗まれてしまった場合、スマホの中身を守る必要があります。
無くしたスマホはあきらめるしかありませんが、
- スマホがロック解除され中身を見られる
- SIMカードを抜き取られ悪用されてしまう
といった被害に遭わないよう次のような予防をしておきましょう。
- 顔認証、指紋認証を設定しておく
- パスコード認証のエラー回数を制限しておく
- 盗難デバイスの保護を有効にしておく
- 電話回線は、SIMカードではなくeSIMで契約しておく
顔認証や指紋認証については、みなさん普段から使っていると思いますので解説は省略します。
パスコードの失敗回数
「設定」アプリ内の「Face IDとパスコード」の一番下にある、「データを消去」というスイッチをONに
パスコード入力が10回失敗するとiPhoneがリセットされ全てのデータが消去される仕組みです。
スマホの中身を覗き見されるくらいなら消し去ってしまおう、というわけです。
「大事なデータがいっぱいあるのに消されると困る」、という人もいるかもしれません。
スマホが戻ってこないこともあるわけですから、淡い期待は捨てて、迷わず安全のためこの設定はONにしましょう。
iCloud+を使って万一に備えておく
そして、そもそもスマホが戻ってこない前提で普段から準備しておくべきです。
そのためにiCloudの有料プランであるiCloud+への加入をオススメします。
Apple社のサーバに各種データを保存可能
- 無料版は5GBと容量が少ない
- 有料版のiCloud+
- 50GB:1ヶ月150円
- 200GB:1ヶ月450円
iCloudバックアップ機能を使う
- 毎日夜、自動的にスマホが丸ごとバックアップされる
- バックアップはApple社のサーバで安全に保管される
自分のデータをできるだけiCloudと同期しておく
- 写真や予定表、メモやパスワードなど、積極的にiCloudと同期する
- バックアップがあるとはいえ、大事なデータが自分のスマホの中にしかない、という状況は極力避ける
毎日自動的に丸ごとバックアップ、これほど心強いサービスはありません。
ただし、最近のスマホの容量を考えると無料の5GBでは足りないと思います。
大量に動画データがあるのでなければ、50GBや200GBのプランで十分です。
スマホにそれなりに依存する時代です。毎月数百円、こういう重要サービスにお金を使いましょう。
盗難デバイスの保護を有効に
「設定」アプリ内の「Face IDとパスコード」の中段あたり、「盗難デバイスの保護」というスイッチをONに
最近のiOSで対応した機能です。動作の詳細は不明ですが、これも迷わずONにしましょう。
仮にパスコードが破られた場合でも、普段の居場所でない場所にスマホがあると判断されたら、重要なデータを見る際に追加で顔認証などが求められる、という機能のようです。
携帯電話回線はeSIMで契約する
携帯電話回線を契約すると、SIMカードという電話番号が入ったカードが提供されます。
iPhoneだと本体の横にSIMカードスロットがあり、スロットにSIMカードを入れるとスマホが使えるようになります。
携帯ショップでスマホ本体を買うとお店のスタッフがうまくやってくれるので、ご存知でない方もいるかもしれません。

誰でもこのスロットを開けてSIMカードを取り出すことができます。
悪い人がスマホを拾うと、このSIMカードを抜き取って悪事に使うかもしれません。
また、SIMカードが抜き取られると、スマホの電源は入っていても圏外になってしまい、自分でスマホを探す時に困ります。
最近ではこうした物理的なカードではない、eSIMと呼ばれるものを選ぶことができます。
携帯電話会社からダウンロードできるデジタルSIMをスマホにインストールするようなものです。
できる限り携帯電話回線はSIMカードではなくeSIMで契約するようにしましょう。
現在SIMカードで契約している方もeSIMに切り替えることができますので携帯電話会社に問い合わせてみてください。
将来的にはiPhoneのSIMカードスロットは無くなると思います。(アメリカでは既に廃止済み)
私が利用している楽天モバイルもeSIMに対応しています。
自力でスマホを探す段階
無くしてすぐだと交番に行く前に自分でなんとか探そうとしますよね。その際に大事なポイントを解説します。
- 落としたスマホに電話をかける
- 「探す」機能で使って探す
落としたスマホに電話をかける
iPhoneの設定や機能で解説する内容は特にありません。
- 同行者がいる場合(家族や友人)
-
同行者に落としたスマホへ電話をかけてもらいましょう。
拾った方に電話が繋がったら、待ち合わせするか、交番に届けてもらうか、お願いしましょう。 - 同行者がいない場合
-
スマホ無くして焦っているのに公衆電話がほとんど見つからなくてイライラが爆発します。
私はお願いしませんでしたが、ひょっとしたら交番のお巡りさんが電話してくれるかもしません。
親切そうな人にお願いするのもありかもしれませんがなかなか難しいところです。
一人でいる時にスマホを落とすと電話確認はかなり困難です。
「探す」機能を使って探す
iPhoneにはスマホを探す機能があります。
「スマホを無くしても探す機能があるから大丈夫」と多くの方は考えているかもしれません。
先に言っておきますが、事前の準備と想定ができていないと、せっかくの探す機能を活かせず、何もできないで終わると思います。
「探す」機能とは
別のiPhoneやApple製品(Apple WatchやiPadなど)の「探す」アプリを使って、落としたスマホの場所を探すことができます。
いずれも同じAppleアカウントで使用している必要があります。
「探す」アプリ以外では、ブラウザでiCloudにログインすることで、同じような「探す」機能を使うことができます。

このように地図上で落としたiPhoneの位置がわかるのです。
設定次第にはなりますが、落としたiPhoneの電源が切れていても圏外でも探すことができる大変便利な機能です。
「探す」機能でできること
「探す」機能で落としたiPhoneに無事つながった場合、追加でいろいろと操作ができます。
落としたiPhoneの現在位置を特定する
GPSで精度良く現在位置がわかるので、近くにいる場合は地図を見ながら急いでその場に向かいましょう。
また、どの時点で位置が判明したのかも表示されます。(たった今なのか、○時間前なのか、など)
落としたiPhoneで音を鳴らす
近くにいるのに見つからない場合など、落としたiPhoneでピーピーピーという音を鳴らすことができます。
マナーモードになっていても音は鳴ります。
iPhoneをリセットしてデータを全消去する
パスコードを推測しやすいものにしていると、スマホの中身を覗き見される恐れが高まります。
そのような場合、さっさとiPhoneを全消去してしまうことも可能です。
落としたiPhoneを「紛失モード」にする
紛失モードにすると次の写真のようなことが可能です。

特に有効なのは、Apple Payが無効になることと、iPhoneの画面にメッセージを表示できることです。
拾った人にiPhoneの画面を通じて伝言することができます。
他の電話番号やメールアドレスを伝えて、そこに連絡するようにお願いすることができますね。
落としたiPhoneの電池残量がわかる
電池の残量があとわずかだったりすると、自力で探し出すのは諦め、急いで紛失モードにするなどして、さっさと交番に行くのが良いでしょう。
iPhoneを探すためには事前に設定が必要
「設定」アプリの一番上「Apple Account」にある「探す」というメニューで、「iPhoneを探す」をタップする。
- 「iPhoneを探す」をオン
- 「”探す”ネットワーク」をオン
- 「最後の位置情報を送信」をオン
1番目の「iPhoneを探す」がオフだと落としたiPhoneを探すことができません。
少なくとも「iPhoneを探す」は必ずオンにしましょう。

一番上の「iPhoneを探す」をタップすると、下の設定画面となります。
有料のiCloud+でファミリー共有を利用している場合、「位置情報を共有」をオンにすることで、常時自分の居場所を家族に共有することができます。そうしておくと、iPhoneを落としても家族にiPhoneを探してもらうことができます。
家族や友達と位置情報を共有したくなければ、「位置情報を共有」はオフで構いません。

ここの設定はいずれもオンにしておきましょう。
詳細な内容は設定画面内でも説明されていますが、「iPhoneが圏外」「iPhoneが電源オフ」という状況でも探すことができる便利な機能です。
「探す」機能の使い方
同行者に「探す」専用のiCloudを使わせてもらう
同行者のスマホを借りて「探す専用のiCloud」にサインインさせてもらいます。
「探す専用のiCloud」は、メールやカレンダーなどを閲覧できる「フル機能のiCloud」とは異なります。
フル機能のiCloudにサインインする場合、SMS認証など追加の認証が必要となり、落としたiPhoneが手元にないのでサインインできないことがあります。
同行者がiPhone
「探す」アプリにある「友達を助ける」から探す専用iCloudにアクセスできます。
サインインして落としたiPhoneにつながれば、iPhoneの場所がわかり、「探す」の各操作も可能です。


同行者がAndroid
ブラウザから探す専用iCloudにサインインさせてもらいましょう。
探す専用のiCloud
https://www.icloud.com/find

有料のiCloud+のファミリー共有を設定している場合は、家族のiPhoneの探すアプリでササっと探してもらうことも可能です。ですが、いくつか条件がありますので、上で解説した通り、「友達を助ける」から利用する方法を解説しました。
また、失敗しがちなのが、同行者のブラウザを借りてフル機能のiCloudにサインインしようとすることです。
フル機能だとメールをはじめ全てのサービスにアクセスできてしまうので、サインインがより厳格に、SMS認証などが求められます。iPhoneを落としてSMSを使えないためサインインできずに諦める、ということになりかねません。
同行者がいない場合、探す機能を使う機器が必要
落としたiPhone以外に通信可能なデバイスを持っていれば探すことができます。
- 探すアプリを使う
- 回線契約のあるセルラーモデルのApple Watch
- 回線契約のあるセルラーモデルのiPad
- ポケットWi-FiとiPad・MacBook
- 探す専用iCloudを使う
- 回線契約のあるAndroidをたまたま持っていた、など
iPadやMacBookがあってもiPhoneのテザリングで使用していたり、Wi-FiモデルのApple Watchだった場合は自分で探すのは難しくなります。
【体験談】外出先で探すのは正直厳しいかも…
このような便利な機能でありながら、実際に外出先でiPhoneを落とした場合、せっかくの「探す」機能も宝の持ち腐れで終わってしまう可能性が高いです。
以下のような「探す」を使えそうな場面でも意外と制約があるものです。お時間のある方はそれぞれ開いてご確認ください。
同行者のスマホを借り、ブラウザからiCloudにログインしたら?
- 同行者のスマホのブラウザを借りてicloud.comにサインインを試みるも、IDパスワード以外の追加の認証が求められ四苦八苦するが、結局ログインできずに諦めることに
- 正解としては、同行者スマホを借りて探す専用のiCloudにサインインさせてもらうことです
- 探す以外に何もできないiCloudなので、追加の認証などは求められないようです
腕にApple Watchを着けていたら?
- Apple Watch単体でインターネットにつながる契約(ワンナンバーサービス等)がないと、ネット接続が必要な「探す」機能は結局使えない
- ワンナンバーを契約するには、Apple WatchのWi-Fiモデルではなく、セルラーモデルであることが必要
- 仮にセルラーモデルを持っていても、紛失の前にワンナンバーを申し込んでおく必要がある
カバンにiPadを持っていたら?
- iPadがWi-Fiモデルで、普段iPhoneとテザリングして使っているのならネットに繋がらないので探す機能が使えない
街なかには無料Wi-Fiスポットがあるのでは?
- iPhoneがあれば無料Wi-Fiスポットを簡単に見つけることができるのにiPhoneがないためスポット探しも一苦労
- スマホが見つかって追いかけるにしても無料Wi-Fiスポットから立ち去る必要がある
- 無料Wi-Fiが異常に遅くて、イライラが爆発する場合も
外出先で心おきなく探す機能を活用するためには次に挙げるどれかの状況にないと厳しそうです。
外出先で「探す」を万全に使うには… |
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ワンナンバーサービス契約済みのApple Watchを手につけていた |
自分の2台目のiPhoneを別に携帯していた |
通信可能なセルラーモデルiPadを携帯していた |
Wi-FiモデルiPadと一緒にポケットWi-Fiを携帯していた |
運よく同行者がいて、かつ、ブラウザで「探す専用iCloud」にサインインできた |
運よく家族が同行していて、かつ、家族のiPhoneと常に位置情報を共有する設定だった |
普段からこうした状況の一つにでも合致する方は果たしてどれほどいらっしゃるでしょうか?
自力で探すのはかなり厳しいものがあるのではないかと思われます。
私はワンナンバーサービス契約済みのApple Watchを着けていたのである程度助かりました。
一方、Wi-Fi版のiPadも持っていたのですが、ネットに繋がらずほとんど役には立ちませんでした。

電車から降りた後に落としたことに気づいたのですが、運よくPhoneが地図に表示されました。
ですが、おそらく電車にあるだろうiPhoneがどんどん遠ざかっていくのを眺めながら、駅で辛い思いをした記憶があります。
スマホや携帯回線の予備があると不安や面倒が激減
- スマホを安全な状態に設定しておく
- スマホケースに入れるカードも極力少なく、さらに安全にカードの利用制限もしておく
そうしておいて、さらに自宅に予備のスマホと携帯電話回線があるとかなり助かります。
無くしたスマホが見つかるまでの間もそうですし、仮にスマホが出てこなかった場合にもかなり役立ちます。
紛失経験者として断言できます。
どういうメリットがあるか、何を用意しておくと良いかは以降の記事で解説しますが、予備を持っておくことを強くオススメします。
- 中古で良いので旧機種の安いiPhone
- 月額がほとんどかからない携帯電話回線(KDDIのpovoなど)
紛失した後に中古のiPhoneを買って格安SIMを買ってくればいい、と思うかもしれません。
ですが、同じAppleアカウントで設定したiPhoneや、交番で伝える携帯電話番号が前もって用意されている方が好ましいです。
- スマホやカードを無くしてしまった時は、気持ちを切り替えて、さっさと交番に行って、さっさと帰宅する
- 紛失スマホが届けられることを祈りながら、予備のスマホで生活する
- 警察とのやりとりも予備のスマホで
- 紛失スマホの位置を定期的にチェック
- 仮に戻ってこなかった場合でも、予備のスマホがあるのとないのでは大違い
- できればApple Watchもあるとなお良い
- Apple PayにクレカやSuicaが入っているとスマホ紛失直後に役立つことも
- さらに単体で通信できる契約のApple Watchがあれば機動的に探すことができる
落としたことの後悔はしょうがないにせよ、準備によって余計な不安や面倒を減らすことは十分可能です。
交番に届くのを祈る段階
正直できることはあまりありません、祈りながら気長に待ちましょう。
一方で、頃合いを見てクレジットカード会社や携帯電話会社に紛失や再発行の手続きを依頼しましょう。
特にクレジットカードの場合、再発行するとカード番号が変更となります。
何度も繰り返しになりますが、公共料金の支払いやWebサイトに登録しているクレジットカードは絶対に持ち歩かないようにしておくべきです。
また、家にインターネットがないとか、パソコン・タブレットを持っていないなど、スマホ1台で過ごしている方もいらっしゃるかと思います。
そのたった1台のスマホが手元から無くなるので、かなり不便な生活となります。
先ほど述べた通り、スマホと携帯電話回線は別に予備で持っておくことを強くオススメします。
意外と盲点になりがちですが、交番に行った後、特にスマホが交番に届けられた場合、警察と電話でやり取りする局面が多くなります。
電話がかかってくることもありますし、こちらから電話をかけることもあります。
予備の携帯電話があるだけでだいぶ楽になります。
スマホを再購入して復旧する段階で有効な機能や設定
iCloudを使って、毎日自動でiPhone丸ごとバックアップが行われている、また、さまざまなデータはiCloudと同期されている、これが復旧に際して唯一役立つ機能です。
容量はある程度必要なので、有料版のiCloud+に加入することをオススメします。
- 全てのアプリを再インストールして、全ての設定を0から行う必要がある
- 紛失スマホにのみ保存されていたデータは復旧できない
- スマホのゲームのアカウントが移行できないこともある


紛失に備えたスマホの設定や紛失時に役立つ機能などをここまでで解説してきました。
次は持ち歩くクレジットカードを紛失した場合でも不安を抑えるような設定について解説していきます。

